ふるさと納税で還元率が高いコスパの良い返礼品を探す方法

ふるさと納税には「還元率」という概念があります。これを知らないと、ふるさと納税で返礼品をお得にゲットすることはできません。この記事では、還元率とは何かを詳しく説明しています。また、還元率の高い返礼品を見つける方法も紹介しているので参考にしてください。

目次

ふるさと納税の還元率とは

私たちがふるさと納税で寄付をしても、全額が市町村の財源に加わるわけではありません。まず、受け取った寄付金から返礼品を提供しているお店や企業に仕入れのお金を支払い、送料、宣伝の費用、人件費、システムの利用料などを支払った残りを市町村の財源として使えます。

ふるさと納税の還元率とは、「受領した寄付金に対して返礼品を調達するのにかかった費用の割合」を指すことが多いです。例えば、1万円の寄付をもらったときに、4千円で仕入れられる特産品をお礼として寄付者に提供する場合には、その返礼品の還元率は4割になります。

なぜ、寄付者にとって還元率の理解が大切かというと、それはお得かどうかを表すからです。1万円の寄付で2千円の牛肉しかもらえない返礼品よりは、3千円の牛肉をもらえる返礼品の方が当然ながら得をします。そのため、ふるさと納税で返礼品を探すときは還元率についても考えると良いです。

しかし、市町村側が返礼品の紹介ページで還元率について説明することはありません。なぜなら、返礼品の価格や還元率を表示したり、「お得」、「コスパ」、「セール」といった表現を使うことは、寄付者の適切な選択を阻害するとして総務省の告示により禁止されているからです。だからこそ、その返礼品がお得かどうか、還元率が高いかどうかは、寄付者自身が判断しなくてはいけません。

還元率に対する規制

返礼品の還元率は自治体がいくらでも自由に設定できるわけではありません。寄付金額に対するふるさと納税の費用に関しては、以下の規制があります。

返礼品等の調達に要する費用(3割以下)

返礼品等の調達に要する費用は寄付金額に対して3割以下である必要があります。自治体が寄付を受けると、お店や企業が寄付者に商品の発送を行い、市町村はお店や企業に返礼品の代金を支払います。このとき、お店や企業に支払われる金額が返礼品等の調達に要する費用です。原価や定価ではなく実際に市町村が支払った金額を意味しており、消費税を含みます。ふるさと納税では返礼品等の調達に要する費用の割合を還元率と呼ぶことが多いです。

募集に要した費用(5割以下)
募集に要した費用は寄付金額に対して5割以下である必要があります。寄付金から支払われる費用は、返礼品の調達に要する費用だけではありません。他にも、返礼品の送付に係る費用(梱包、送料など)、広報に係る費用(新聞やインターネットの広告など)、決済等に係る費用(クレジットカード決済、銀行振り込みなど)、事務に係る費用(ふるさと納税の人件費など)といった費用が発生します。返礼品の調達に要する費用とこれらの経費の総額を寄付金額の5割以下に抑えなければいけません。

このような規制が設けられた背景には、ふるさと納税における市町村間の競争が過熱したことにあります。人口の減少や少子高齢化などによって税収の不足に悩んでいる市町村は、ふるさと納税で寄付金を多く獲得しようと高額な返礼品を次々に用意しました。その結果、平成28年には全体の60%以上が還元率3割以上の返礼品を提供していました。返礼品によって還元率にばらつきがあり、一部の市町村が高額な返礼品を提供している状況では、寄付者からすると市町村を応援したいという本来の趣旨から外れ、高額な返礼品を探すようになってしまいます。

そこで、地方税法の改正によって上記の規制が設けられ、これらを守っていない自治体は総務大臣がふるさと納税の対象外に指定できるように変わりました。還元率にばらつきがあると、気になる返礼品があっても「他にもっとお得な返礼品はないか」と探すのが大変です。3割という基準が設けられた現在、昔のように高額な返礼品がなくなったことは残念ですが、その代わりにどの返礼品も同じくらいお得になったので探す手間は以前と比べて減ったと思います。

還元率が高いおすすめの返礼品

還元率に3割という上限が設けられとしても、返礼品にお得さを出す余地が全くなくなったわけではありません。例えば、返礼品を安く仕入れることができれば還元率は3割のままで量を増やすことができます。また、3割はあくまで上限なので、必ずしも3割ぴったりにする必要はありません。実際に私の知人がふるさと納税の返礼品に出品したときは、還元率が25%くらいでした。

このような理由から、現在でも還元率が高いお得な返礼品を探すことは可能です。以下に、コスパが高そうな返礼品をいくつか紹介しています。

1万円の寄付で国産の豚肉を4キロもらえます。驚くほど大容量なので、子供が多くいる家族におすすめです。

こちらの返礼品は、1万円のふるさと納税で北海道産の大粒ホタテを1キロもらえます。ホタテはネット通販で買うと安くても3千円から4千円くらいの値段がするため、コスパは良いです。味も好評で、非常に多くの人が選んでいる人気の返礼品です。

他には、私が過去にもらった返礼品を以下の記事でレビューしているので参考にしてください。

還元率が高い返礼品の探し方

複数のポータルサイトを利用する

ふるさと納税を寄付するときに利用するポータルサイトには様々な種類があります。有名どころでいえば、さとふる、楽天ふるさと納税、ふるさとチョイスなどがあります。ポータルサイトによって掲載している市町村は異なるため、なるべく多くのサイトを利用する方が還元率の高い返礼品を見つけやすいです。ただし、全てのポータルサイトを見るのは大変なので、2つか3つくらい利用するのがおすすめです。

ランキング検索を利用する

ふるさと納税の返礼品を探すときは、ランキングを見るのが便利です。ランキングには「人気順」や「おすすめ順」などいくつかの基準がありますが、個人的には「口コミ件数順」で探すのがおすすめです。多くの口コミが投稿されている返礼品は、当然ながら実際に多く寄付されています。誰だってお得な返礼品を求めていますから、多くの寄付を集めている返礼品はコスパが良い可能性が高いです。「人気順」や「おすすめ順」は基準が不明確で、料金を支払っている自治体が表示されている可能性もあります。

返礼品の還元率を調べる

余裕があれば、返礼品と同じ商品が売られていないか探して販売価格を調べると、還元率が高いかどうか分かります。返礼品の名前で検索すれば、楽天、アマゾン、公式通販サイト、個人ブログ、SNSなどで同じ商品が見つかることがあります。以下の記事ではおすすめの返礼品を紹介していますが、この方法で還元率についても調べて、なるべくコスパの良い返礼品を掲載することを心がけています。

やる気のある自治体を探す

還元率の高そうな返礼品を一つ見つけたら、それを提供している市町村の他の返礼品もチェックしてみてください。なぜなら、ふるさと納税に意欲的で頑張っている自治体は、全体的に魅力のある返礼品を提供している可能性が高いからです。

寄付単価を上げる

寄付単価を上げるだけで量が増えることがあります。例えば、1万円の寄付で1キロの牛肉がもらえるのに対して、2万円の寄付をすれば同じ牛肉が2.2キロもらえるといったケースです。ただし、不味かった時のリスクも大きくなるので、一度注文して美味しかった時に寄付単価を上げてリピートするのが良いでしょう。

還元率以外の観点でお得さを見つける

還元率に関しては3割という上限があるので、そこまで大きな差異は出せません。それ以外の観点でお得さを見つけることも大切です。例えば、楽天ふるさと納税であれば、寄付金額に対して楽天ポイントが付与されて、そのポイントを使って楽天市場の商品を購入できます。また、ふるなびであれば、クレジットカードで決済するとAmazonギフト券が付与されます。

お得な返礼品が掲載される時期を狙う

最後に都市伝説のような感じで確かな情報ではありませんが、一年間の中でお得な返礼品が多く掲載される時期を狙うという方法があります。自治体がふるさと納税の対象として認めらるかは審査があり、認められれば10月から翌年の9月まではそれが継続します。ふるさと納税の対象になるかの審査は、7月に市町村から申出があり、9月頃に結果が公表されました。つまり、この審査が行われる8月から9月頃は還元率が下がる可能性があります。ただし、自治体によっても対応は様々なので一概には言えず、参考程度の情報になります。

終わりに

この記事では、まず最初にふるさと納税の還元率とは何か、還元率に対する規制について説明してきました。また、私の経験を踏まえて、還元率の高いお得な返礼品を見つける方法を紹介しました。なるべく損をしないためにも、還元率を意識して返礼品を探すことは大切です。ただし、還元率やコスパだけが重要ではなく、どの市町村を応援するか、どんな事業に寄付金を使ってほしいかといったことも同じく重要です。還元率だけにとらわれないように注意しましょう。

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