こんな自治体は要注意、ふるさと納税で失敗しないための返礼品の選び方

ふるさと納税で要注意な自治体と返礼品

制度が始まった当初はふるさと納税の知名度は低く、確定申告の煩雑さなどからあまり浸透していませんでした。しかし、サラリーマンの確定申告が不要となる「ワンストップ特例制度」の開始や自治体間の競争によって返礼品の魅力が高まっていることなどを受けて、現在では全体の寄付金額が大幅に増加しています。そして、少子高齢化で税収の確保に苦しんでいる市町村の間で競争は激化し、選択肢の幅を広げて寄付金を増やすたに、新たな返礼品が続々と追加されている状態です。そこで今回は私の経験や知識をもとに、ふるさと納税の初心者が寄付先の自治体や返礼品を探すときの注意点について説明していきます。

ふるさと納税の対象外に指定されている自治体【NG】

ふるさと納税の新制度

2019年6月に施行された法律により、ふるさと納税の対象となる自治体は総務大臣が指定し、指定を受けない自治体への寄付はふるさと納税の対象外になるように改正されました。これにより、ふるさと納税の対象外になった自治体に寄付をした場合、それは単なる寄付扱いになります。

実は一般的な寄付も条件を満たせば寄付金控除を受けられて税金が安くなります。それでは、単なる寄付とふるさと納税の違いは何でしょうか。まず、ふるさと納税では住民税の特例控除を受けられるので単なる寄付よりも税金が安くなります。また、ふるさと納税は特例控除対象寄附金なので、確定申告が不要となる「ワンストップ特例制度」を利用できます。

既に2019年の6月から、大阪府泉佐野市、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4つの市町村はふるさと納税の対象外になっており、再度ふるさと納税の対象に戻るかは未定です。これらの自治体は、還元率が3割以上の高額な返礼品や地場産品以外を提供しているなどして総務省から見直しを求められていましたが、その後も金券などを提供して2018年11月から2019年3月までに50億円を上回る寄付金を集めていました。

総務大臣が自治体に対してふるさと納税の指定をするかどうかの基準は以下の3つです。内容は抜粋なので、詳しくは総務省の資料をご確認ください。

・募集適正実施基準
ふるさと納税の募集を適正に実施すること。返礼品などを強調した宣伝広告、市町村に住んでいる人からの寄付に返礼品を提供することを禁止。募集に要した経費は寄付金の5割以下であること。

・返礼割合3割以下基準
寄付金額に対する返礼品の価値が3割以下であること。これまでは還元率が5割とか7割くらいありそうな高額な返礼品を提供する自治体も多くありましたが、明確に3割という基準が設けられました。

・地場産品基準
返礼品は地場産品であること。例えば、市町村の区域内で生産されたもの、市町村の区域内で返礼品の主要な原材料が生産されたもの、市町村の区域内で返礼品の主要な加工が行われたもの、近隣市町村や都道府県が共通の返礼品として定めたものなどが地場産品として認められます。

今後は一定期間ごとに自治体が総務大臣に申出を行い、上記の基準に照らし合わせてふるさと納税の対象になるか審査されます。

最初に挙げた4つの自治体以外に、43の市町村が基準に満たないとして、2019年6月1日から2019年9月30日までの期間限定でふるさと納税の対象になっています。2019年の7月に申出を行って再度審査を行い、問題がなければ2019年10月から1年間はふるさと納税の対象として認められます。その後、2019年9月19日に総務省から発表があり、この43の市町村は2019年10月から2020年9月までも引き続きふるさと納税の対象になりました。

寄付者が注意することは、ふるさと納税の対象外になっている市町村には寄付しないことです。大阪府泉佐野市、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町に関しては、ふるさとチョイスやさとふる、ふるなびといった大手ふるさと納税のサイトからは削除されていると思います。もしも間違えてふるさと納税の対象外の自治体に寄付をしても、キャンセルや返金はできない可能性があります。

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やる気がない自治体【NG】

ふるさと納税の写真

ふるさと納税に対する取り組みの熱意は自治体間に差があります。寄付金を増やすために、市役所に専門の部署を設けて積極的に返礼品の開発に励んでいる自治体もあれば、何をすれば良いか分からず、後回しになっているところもあるでしょう。

私たちが返礼品を選ぶ際に絶対に注目しなければならないポイントは、言うまでもなく返礼品の詳細ページです。そこに掲載されている写真や説明文を見比べながら、自分が応援したいと思える自治体を探していくことになります。ふるさと納税に対して積極的な自治体の場合は写真や説明文が豊富で分かりやすくなっているはずですし、やる気のない自治体は一言しか説明がないこともあります。

例えば、ふるさと納税の寄付金が全国で一位になった宮崎県都城市のページを見ると、寄付金を獲得しようと本気で取り組んでいることが伝わります。

返礼品の写真の枚数が多く、どの写真も大きくて綺麗です。宮崎県都城市は肉の返礼品が人気ですが、肉の量、産地、品質、生産者、こだわり、食べ方、保存方法など、細かい情報が記載されています。

ふるさと納税に対してモチベーションが高い自治体は、魅力的な返礼品を用意していたり、問い合わせたときの対応も期待できます。なぜなら、寄付者に満足してもらうことができれば、来年以降のふるさと納税でもリピートして寄付先に選んでもらえるからです。

ふるさと納税のやる気がある自治体を探す簡単なポイントは、単純に寄付金を多く集めているかどうかです。以下は過去のふるさと納税の寄付金獲得ランキングになります。

1位 大阪府泉佐野市

⇒ ふるさと納税の対象外

2位 宮崎県都農町

3位 宮崎県都城市

4位 佐賀県みやき町

⇒ ふるさと納税の対象外

5位 佐賀県上峰町

様々な返礼品を見比べてみれば分かりますが、中には返礼品を箱の外から撮影した写真が一枚のみ掲載されているだけで、中身がどうなっているのか全く想像できないようなお礼もあります。説明文は短く、賞味期限の記載がない自治体も多いです。

もしかしたら、そのように説明が少ない返礼品の中にも素晴らしいものが存在するかもしれませんし、その逆で説明が豊富でも味が微妙なことはあるでしょう。しかし、「商品が発送されてきたものを見たらイメージと違った」という後悔が少ないのは、説明文が豊富な返礼品ではないでしょうか?

ふるさと納税でがっかりするのは、届いた返礼品がイメージしていたものと違うことです。寄付者の口コミを見ると、「想像していたよりカニが小さかった」といった感想が多くあります。なるべく後悔しないためにも、写真の枚数が多く、返礼品の情報がしっかりと書かれている市町村に寄付をしましょう。

口コミが悪い返礼品や自治体【NG】

ふるさと納税の口コミ

インターネットが発達し、誰もが情報を発信することが容易になりました。例えば、ブログを持っていなかったとしても、ツイッターやフェイスブックなどのSNSがあれば簡単に意見を言うことができます。

ふるさと納税についても、届いた返礼品が気に入れば「こちらの自治体はおすすめです」と書いたり、その逆で不満があれば「ここは絶対に止めた方が良い」と否定的な意見を書く人もいるでしょう。

個人的には、不満の感情の方が情報発信をする原動力になると考えています。届いた返礼品が詐欺のように写真と全く違っていたり、フルーツが腐っていたりすれば、誰かに愚痴を言いたくなるのは理解できます。しかも、それを自治体に伝えたときの対応がひどければ、さらに不満は高まっていきます。

「ふるさと納税+自治体名」や「ふるさと納税+返礼品名」などで検索すれば、口コミを書いているブログが見つかる場合があります。また、ふるさと納税のサイトにも口コミの掲載があります。

【北海道紋別市】オホーツク産ホタテ(1kg)

例えば、さとふるに掲載されている北海道紋別市の「オホーツク産ホタテ」では、現時点で約500件のレビューがあり、そのうち約450件が最高評価の星5つを選んでいます。このように、レビューの件数が多く、評価が高い場合には、寄付をして失敗する可能性は少ないでしょう。

寄付金の使い道が曖昧で抽象的な自治体【NG】

寄付金の使い道

ふるさと納税の魅力は高額な返礼品に目が行きがちですが、寄付したお金がどのように使われるかも同じく重要です。

ふるさと納税は、全国の自治体の税収が増えて、誰もが得をするような制度ではありません。例えば、東京都に住んでいる人が青森県に寄付をした場合、青森県には財源が増えますが、東京都の住民税は減少します。地方税である住民税が減れば、それだけ東京都に住んでいる人たちへの住民サービスは低下することになります。ふるさと納税の財源については「ふるさと納税は誰の負担によって成り立っているか、使い道で返礼品を選ぶことの意味」に詳しく書いています。

そのため、自分の価値観に沿った使い方をしてくれる自治体に寄付することが重要になります。都心から離れた地方では、東京や大阪などと比べて就職先が豊富にあるわけではありません。働く場所を求めて子供を産める年齢の若い女性が少なくなり、限界集落や消滅可能性都市といったワードが一般的になるほど少子高齢化は進んでいます。そんな中、ふるさと納税の寄付金が、保育園の整備や子供を持つ世帯への支援金に使われるのは嬉しいことでしょう。

佐賀県上峰町はふるさと納税で財政が良くなり、地方議員の手当てを復活させようとして非難が殺到したことがあります。そんな使われ方をするくらいなら、寄付を止めて、自分が現在住んでいる市町村に住民税を払った方が良いと考える人がいると思います。

楽天ふるさと納税やさとふる、ふるさとチョイスといったふるさと納税のサイトでは、自治体ごとに寄付金の使い道が記載されています。また、寄付をする際には、寄付金の用途を選択できます。

例として、北海道上士幌町を見ていきます。

現時点の北海道上士幌町では、子育て・教育、観光、農林業、医療などから寄付金の用途を選択できます。変わったものでは、自動運転バス導入促進という使い道もあります。寄付をする際には、頑張ってほしいと思う事業を一つ選んでください。

また、北海道上士幌町の自治体のホームページを見ると、過去に寄付金がどのように使われたのか実績が掲載されています。寄付金が使われた事業ごとに、事業内容と寄付金の活用金額が分かります。例えば、認定こども園保育料無料化事業、公営塾開設事業、スクールバス更新事業といった取り組みに寄付金が使われました。

ふるさと納税をする際には、自分が寄付をするとそのお金がどのように使われるのか、寄付金の用途が具体的に書かれているかチェックしましょう。余裕があれば、自治体のホームページを見て、過去に寄付金がどのように使われたのか実績を調べるのがおすすめです。その際に、使い道が抽象的であったり、曖昧な場合には、寄付金の使い道を真剣に考えていない市町村かもしれません。

寄付金額と返礼品が比例している【NG】

寄付金額と返礼品の比例

一つの自治体にふるさと納税をする場合、当然ながら自分で寄付をする金額を選択できます。例えば、ある市町村のお米が気に入ったのでたくさん欲しいと思えば、その自治体に対して一気に3万円を寄付することも可能ですし、色々な市町村を応援したいという人は、山形県と島根県と北海道といったように、3つの自治体に1万円ずつ寄付することもできます。

特定の市町村や返礼品が気に入っている場合を除き、一つの自治体に多額の寄付をする場合には、寄付金額と返礼品が完全には比例していない方がお得です。例えば、1万円を寄付すればお肉が1キロもらえて、3万円を寄付したときに同じお肉が3キロもらえるのであれば、これは寄付金額と返礼品が完全に比例している状態です。このような自治体は結構多くありますが、この場合には一度に3万円分の寄付をするメリットは少ないと思います。

それだったら、1万円の寄付を複数の自治体に分けて行った方が、色々な品を楽しめますし、申し込みの時期をずらせるので冷凍庫などの保管スペースに困ることが減ります。また、1万円の寄付をして実際に返礼品を受け取り、良かったら同じものをリピートして寄付することもできます。

しかし、もしも1万円の寄付でお肉を1キロ、3万円で4キロもらえるのであれば、寄付金額を増やして一度に3万円の寄付をするメリットがあります。例えば、北海道白糠町のケースを考えます。

【北海道白糠町】北海道産いくら1kg

北海道白糠町が提供している上の返礼品は、寄付金額が25500円で北海道産のいくらを1キロもらえて、非常に人気になっています。全く同じいくらを500グラムもらえる返礼品の寄付金額は13000円なので、500グラムのいくらを2回注文するよりも1キロの方は500円安いです。

ちなみに、寄付金額と返礼品が完全に比例している場合に、多額の寄付をすることに全く意味がないわけではありません。例えば、1万円で1キロ、3万円で3キロのお米がもらえる自治体があったと仮定します。このとき、3万円を寄付した方が良いケースとは何でしょうか?

大抵の自治体は年度内に何回でも寄付ができるようになっていますが、中には年度内に一度しか寄付できない(正確には寄付しても返礼品がもらえない)自治体があります。その場合、このお米が大好きでたくさん欲しいと思ったときには、1万円のコースを3回に分けて寄付することはできないため、最初から3万円のコースを選ぶしかありません。なお、ふるさとチョイスのサイトで年間に何回でも寄付をできる自治体の場合、「年何度でもお礼あり」というアイコンが表示されます。

まとめ

今回は、ふるさと納税で返礼品を選ぶ際に注意すべきポイントについて説明してきました。何年もふるさと納税をしてきた経験がある人にとっては当たり前の内容かもしれませんが、これから初めて寄付をするという初心者にとっては覚えてほしいポイントになります。ただし、紹介してきた内容は絶対的な法則ではなく、個別の返礼品には当てはまらないケースがあるかもしれません。ここで説明した内容を意識しつつ、是非応援したい自治体を探してみてください。

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