島の密度が日本一を誇る長崎県佐世保市の九十九島。そこには自然豊かな景観が残り、優雅に進む遊覧船に乗って絶景を眺めるクルージングが人気の観光スポットになっています。今回は、長崎県の旅行で九十九島の遊覧船に乗ってきました。
九十九島の概要
九十九島(くじゅうくしま)とは、長崎県佐世保市の西海国立公園に広がるリアス式海岸の島々です。名前に「九十九」という数値が入っていますが、実際の島の数は208と言われています。人の手が加わっていない無人島が大部分で、島に生える緑の草木と荒々しい岩場が素晴らしい景観を作り上げています。
九十九島の景観を楽しむ方法は主に2通りあります。一つ目は、展海峰という展望台から九十九島の景観を上空から見下ろすことです。「島の密度が日本一」という特徴を実感するには、展望台から見ることが一番分かりやすいと思います。二つ目は、遊覧船に乗って島の間をクルージングすることです。展海峰から眺める場合と違って、こちらは島を至近距離から見られるメリットがあります。その代わりに、多数の島々が連なっている様子を上から眺めることはできず、あくまで横方向から島の外観を見ることになります。
遊覧船乗り場は、「九十九島パールシーリゾート」という複合施設の中にあります。九十九島パールシーリゾートには、他にも地元グルメを扱った食事処や「海きらら」という水族館、九十九島について解説した博物館の「九十九島ビジターセンター」などがあります。そのため、学習して、体験して、食べて、といったように、様々な角度から九十九島を満喫できるようになっています。
JR九州「佐世保」駅から路線バスとシャトルバスが運行しています。路線バスで行く場合には、佐世保駅の6番乗り場から「パールシーリゾート・九十九島水族館」行きのバスに乗り、終点で下車します。乗車時間は約25分です。シャトルバスで行く場合には、佐世保駅の1番乗り場からシャトルバスに乗り、終点で下車します。こちらは、乗車時間は約18分です。どちらも運賃は大人260円、子供130円になります。運行本数は路線バスの方が多く、シャトルバスは1時間に1本程度しか運行していません。あまり違いはないので、時間の都合が良い方に乗ってください。また、車で行く場合には駐車場が併設されています。
遊覧船の種類
遊覧船には、「パールクィーン」と「海賊遊覧船みらい」の2種類があります。どちらも、料金は大人1400円、中学生以下の子供は700円です。クルージングのコースは同じで、船内にカフェがあることも変わりません。違いとしては、「みらい」の方は全体が海賊船のような作りになっているので、幼い子供がいる家族の場合にはこちらの方が喜ぶと思います。大人だけで行くのであれば、どちらでも対して違いはないので、出発時間が近い方や空いている方を選ぶと良いでしょう。ちなみに、遊覧船の他には、ヨットセイリングやシーカヤックなどの体験も可能です。
上の写真は「みらい」の外観です。
こちらは、「パールクィーン」になります。
遊覧船のチケットを購入してから乗船までの流れ
バスや車を使って九十九島パールシーリゾートに到着した後に、遊覧船に乗るまでの流れを簡単に説明していきます。
まず最初に、遊覧船ターミナルという屋内の建物に入ります。すると、入り口近くに有人の窓口がありますので、「パールクィーン」と「みらい」のどちらに乗りたいか、そして出発時刻を選んで遊覧船の乗車券を購入します。遊覧船は午前10時~午後15時頃まで運航しています。出発時刻は日によって変動するため、事前に正確な時刻表を知りたい人は、九十九島パールシーリゾートのホームページを参照してください。日によっては、「パールクィーン」と「みらい」のどちらか一方しか運航していないこともあるので注意が必要です。
遊覧船ターミナルの中には、上の写真にある改札口があります。自分で購入したチケットの出発時刻までに改札口へ行き、そこでスタッフの案内に従ってチケットを見せて外に出ます。改札口は出発時刻の10分前に開場します。遊覧船の普通席は先着順で好きな場所を選べるので、席にこだわる人は開場時間より早めに行って並ぶことになります。
改札口から外に出れば、すぐ近くに遊覧船が停泊しています。そのまま船に乗り込み、好きな席に座ってください。やはり、おすすめは窓際にある4人掛けのテーブル席です。窓際のテーブル席が全て埋まっている場合には、船内中央に置いてあるテーブルがない椅子になる可能性もあり得ます。
九十九島クルージングの様子
船内に入って出発してからは、後は自由に動いて好きなように楽しめば良いです。クルージングの所要時間は約50分です。その時間内は、船内でテーブル席に座って静かに風景を眺めても良いですし、時折野外のデッキに出て風に当たりながら自然を感じるのも楽しいと思います。船内にはドリンクやお菓子を売っているカフェがありますので、簡単な食事をすることもできます。なお、遊覧船は全面禁煙になっているのでタバコを吸うことはできません。揺れに関しては、ほとんど感じられなくて快適です。私はクルージングの経験が少ないので酔ってしまうか不安でしたが、酔い止め薬を飲まなくても問題ありませんでした。
遊覧船の様子
遊覧船にはトイレがありますので安心してください。
船内からも外の風景を見ることは可能ですが、本格的に写真を撮るならデッキに出た方が良いです。私の他にも、カメラを構えている男性を多く見かけました。ただし、デッキは寒くてかなり風が強いので、帽子などが飛ばないように注意してください。
最上階のデッキです。高い位置から撮影したい場合に行ってみてください。
九十九島の様子
ここからは、実際に撮影した九十九島の写真を掲載していきます。私は九十九島について全く知識がない状態でクルージングをしましたが、船内やデッキでは、その時々に見える島について解説をしてくれる放送が流れるので問題なく楽しめました。
上の写真は、ライオンが横に寝そべっているように見える「横島」です。
遊覧船が通った道が波打っています。
「松浦島」という場所で行き止まりになります。船が華麗にUターンする動きを体験できます。
こちらは、狛犬の形をした岩がある「諸島」です。
雲からもれる太陽の光が神々しいです。
九十九島水族館 海きらら
九十九島パールシーリゾートには、「海きらら」という水族館があります。ここでは、九十九島に生息する海の生き物が展示されています。イルカのショーや魚へのエサやりなどのイベントもあります。年中無休で、営業時間は3月~10月は9時~18時、11月~2月は9時~17時になっています。入園料は、大人1440円で中学生以下の子供は720円です。
グルメ
最後に、クルージング体験をする際に利用できる食事処の一部を紹介していきます。
遊覧船の改札口の隣にあるのが「ALOHA kitchen Honu Honu」です。ロコモコやハンバーガー、パンケーキなど、ハワイアンフードを扱ったレストランになります。昼食の時間や遊覧船の出発時刻まで暇なときに利用してみてください。
遊覧船ターミナルから外に出れば、佐世保バーガーなどのB級グルメやソフトクリーム、海鮮料理など、様々なお店が立ち並びます。
感想
今回は、長崎県の佐世保市で九十九島のクルージングを体験してきました。船から見える面白い形をした島々や美しい空と海など、目に入るもの全てに感動しました。最初は、クルージングではなくて展海峰から眺めた方が楽しめるかなと思っていましたが、想像よりもずっと楽しかったです。船内には常時解説の放送が流れているので、事前知識がなくても大丈夫なところは助かります。周辺には多くの食事処や水族館もあるので、長崎県の観光をする際には是非行ってみてください。