国内だけではなく、外国からも多数の観光客が訪れる香川県の栗林公園。その理由の一つは、ミシュランガイドで最高評価を受賞していることです。今回は、国境を越えて人々を魅了する栗林公園へ旅行に行きました。
栗林公園の概要
栗林公園とは、香川県高松市にある日本庭園です。江戸時代に初代高松藩主によって大幅な整備が始まり、それ以降も歴代の藩主によって修築が重ねられて現在の姿に至ります。池を中心として園内を散策する「回遊式庭園」の形式を採用しています。その優れた眺望から、香川県および四国地方でただ一つの「特別名勝」に指定されました。また、フランスのミシュランガイドブックでは最高評価の3つ星を受賞しており、海外からも多数の観光客が訪れます。
なし
午前5時30分~午後19時(季節により多少変動する)
大人は410円、中学生以下の子供は170円
栗林公園北口駅 ⇒ ( 3分 ) ⇒ 栗林公園
※駅を出たら右側へ進み、道なりに少し歩くと到着します。自家用車で行く場合には、東門と北門に専用駐車場があります。
栗林公園の様子
ここからは園内の様子や見所などを詳しく紹介していきます。
松の木
栗林公園が他の庭園と異なるのは、至るところで松が見られることです。園内には丁寧に手入れされた松の木が約1400本植えられています。
北梅林
春の季節には北梅林と南梅林に約170本の梅が咲きます。本格的な梅の名所と比較すれば規模は小さいですが、周囲に植えられている松や緑の木々と一緒に見られるのは、ここならではの特徴です。
群鴨池(ぐんおうち)
園内最大の池でとても広いです。
偃月橋(えんげつきょう)
南湖の上にかかる半円形の橋です。南湖には鯉が泳いでおり、80円でエサやりができます。
恋ツツジ
偃月橋の上からは「杜鵑嶼(とけんしょ)」という離れ島が目の前に見えて、そこにはハートの形をしたツツジがあります。意図的にハートの形にしたわけではなく、偶然できたというのが驚きです。私が行ったときは緑色でしたが、5月下旬から6月上旬頃になるとツツジが赤く色づきます。カップルでデートに行ったときには絶対に記念写真を撮ってみてください。
掬月亭(きくげつてい)
江戸時代初期に建てられたお茶室です。実際にお茶を飲む場合のみ建物に入ることができます。お茶の値段は、抹茶が700円、煎茶が500円になります。
掬月亭では結婚式の前撮りをしていました。目線の先には南湖を一周する和舟も見えて素敵ですね。なお、乗船料は610円で事前予約が必要です。
根上り五葉松(ねあがりごようまつ)
1833年に高松藩9代目の藩主が参勤交代をした際に、徳川家斉からもらった盆栽を庭に植えたものです。200年近い月日を経て驚くほど立派に成長しています。掬月亭の隣にあるので見落とさないようにしてください。
飛来峰(ひらいほう)
富士山を模して造られたと言われている人工の山です。飛来峰の上は園内でも最高クラスの絶景ポイントで、南湖や偃月橋、恋ツツジ、掬月亭などを一望できます。
芙蓉峰(ふようほう)
飛来峰と並ぶもう一つの絶景ポイントが芙蓉峰の上です。こちらは北湖を見渡せる場所にあります。富士山に形が似ていることから、富士の別名である「芙蓉」という名前がつけられています。中央に見える赤い橋は「梅林橋」です。緑一色の中に紅一点のアクセントが加えられることで、一気に景観が面白くなります。もう少し時期が遅ければ、背景の紫雲山も緑色に茂ってより一層美しく見えたと思います。
涵翠池(かんすいち)
背景の木々が反射することにより、立ち位置によっては水面全体が緑色に見える不思議な池です。
桶樋滝(おけどいのたき)
西湖にある石壁(赤壁)を流れる滝です。現在はポンプを使って流水していますが、昔は紫雲山の中腹にある桶まで人の手で水を運んでいたことに由来します。荒々しい石壁は庭園の景観に自然の壮大さを生み出しますが、滝自体は水の勢いがないのでインパクトに欠きます。
潺湲池(せんかんち)
小石に水が当たって水面が輝いて見えるようになっています。
鶴亀松
110個の石を組み合わせた亀の背中に、鶴が舞う姿を表した松を配置したものです。園内で一番美しい松と言われています。
商工奨励館
様々なイベントが開催される建物です。
私が行ったときには入場料が無料の「みんなの花展」を開催しており、芸術的かつ個性的な生け花が展示されていました。この他にも、香川県の特産品である「香川漆器」と「讃岐提灯」を職人が制作する実演を鑑賞できました。
食事、ランチ
園内唯一の本格的イタリアンレストランが「ガーデンカフェ栗林」です。パスタやピザ、キッシュやカレーなど、地元の讃岐野菜をふんだんに使った健康にもやさしいメニューが多くあります。月曜日が定休日です。
それ以外には小さな食事処が点在しています。上の写真は「吹上亭」です。天ぷらうどん定食や生姜焼き定食、牛すじ煮や焼きだんごなどを食べられます。
所要時間
園内は広く、見所も多いため、じっくりと鑑賞しようと思えば時間はかかります。最低でも1時間30分、できれば2時間以上を予定しておくと良いと思います。
混雑具合
私は平日の朝早くに行ったので非常に空いていました。ただし、正午に近づくにつれて外国人観光客などが来るようになり、そこそこ混んでいました。
竹清のうどん
栗林公園の中でも食事は可能ですが、外に出てから徒歩で10分ほどの距離に「竹清(ちくせい)」があります。香川県に数多くあるうどんの店の中でもかなり評価が高く、美味しいと評判です。私は平日の開店時間ちょうどに行きましたが、既に店の前には20人以上の行列ができていました。その最後尾に並び、およそ15分待って店内に入ります。
初めての人にとってはシステムが分かりにくいので注意が必要です。まず最初に天ぷらの注文を行います。おすすめは100円の半熟卵とちくわで、ほとんどの人がこれらを注文します。その際に自分の名前を聞かれるので、名前と天ぷらの注文内容を書かれた紙を受け取ります。そのまま列を進んでレジまで来たら、先程の紙を店員に渡して、うどんの玉数を伝えます。一玉は170円、二玉は230円というように格安です。天ぷらとうどんのお金を支払うと、その場でうどんの麺だけが入った器を受け取ります。
その後はセルフサービスです。ぶっかけうどん用に冷たい出汁をかけても良いですし、お湯で温めてから出汁をかけて食べることもできます。温める場合には、器のうどんを一度ザルに移してザルごとお湯に10秒ほど浸し、ザルのうどんを器に戻すだけです。薬味や天かすなども置いてあります。うどんが完成したら座る席を自分で探します。つまり、混んでいる時間帯であれば、うどんを持ったまま立ち往生する可能性があります。実際に、私が食べ終わるのを待っている人がいました。うどんを受け取ってから少し経つと、名前が呼ばれて注文した天ぷらが運ばれてきます。
私は一玉のうどんと半熟卵の天ぷらを注文しました。合計の値段は270円なので非常に安いです。私はお湯で温める方法を選びました。上手くできるか不安でしたが、やり方が書いてあるのでとても簡単でした。本場の味は間違いなく美味しくて、二玉選べば良かったと後悔するほどです。天ぷらが届くのは遅くて、うどんを食べ終わる直前に運ばれてきました。手順としては、レジでうどんを受け取ったらまずは席だけ確保して、天ぷらが届いてから調理して食べ始める方が良いかもしれません。
感想
今回は、香川県の栗林公園に行ってきました。花は梅とツバキくらいしか咲いていませんでしたが、松や石、池などを緻密に組み合わせることで、優れた景観を生み出していることに感心しました。花の開花時期に左右されないので、一年中どのタイミングで訪問しても美しい景色を見られます。この記事で見所を紹介してきましたが、実際にはもっとたくさんの鑑賞スポットがありました。それだけ満足度が高く、ここを香川旅行の日程に組み込んで良かったと思えました。駅から徒歩数分で行けるほど交通アクセスが良く、近くにはうどんの名店があることも嬉しいですね。