徳島観光で渦潮を見に行ったので渦の道や観潮船、千畳敷展望台を紹介

鳴門海峡の渦潮

徳島県の鳴門海峡の潮流は日本一速く、世界三大潮流に数えられています。その速い潮流からは、世界最大級のサイズとなる渦潮が発生します。今回は徳島県へ旅行したので、渦潮の魅力や鑑賞の注意点などを紹介していきます。

目次

渦潮を見られる場所

鳴門公園の園内マップ

名称 料金 見やすさ 見所
千畳敷展望台 無料 大鳴門橋と鳴門海峡が目の前に広がる絶景ポイント
渦の道 510円 渦潮を真下に見られる遊歩道
エスカヒル鳴門 400円 鳴門公園を一望できる展望台
お茶園展望台 無料 大鳴門橋と鳴門海峡を見渡せる小さな展望台
観潮船 1800円~2800円 渦潮を最も近い位置で見られる迫力満点のクルーズ

徳島県鳴門市(なるとし)の渦潮は、徳島と淡路島を結ぶ大鳴門橋(おおなるときょう)の下あたりの鳴門海峡で発生します。そして、その渦潮が見えるのは、鳴門公園の中で上の表の5箇所になります。渦潮からの距離に関しては、「観潮船」が最も近くで見られて、その次は「渦の道」になります。それ以外は距離が離れるので、肉眼では見えるとは限りません。渦潮を本格的に見るならば、観潮船は絶対に外せません。上記の5つのスポットは、観潮船のりばだけが少し離れた位置にありますが、他は徒歩圏内です。時間がある人は複数のスポットに行って見比べてみてください。

鳴門公園への交通アクセス

鳴門駅前のバス停

徳島県の渦潮を見るためには、まずは鳴門公園へ向かいます。電車とバスで行く場合、徳島駅または最寄駅の鳴門駅から徳島バスに乗り換えます。徳島駅から行く場合は徳島バスの鳴門公園線、鳴門駅から行く場合は鳴門公園線か鳴門線のどちらかに乗ります。

降車する停留所は、渦の道や千畳敷展望台へ行く場合は「鳴門公園」バス停、うずしお観潮船に行く場合は「鳴門観光港」バス停になります。「鳴門公園」バス停までの所要時間は、徳島駅からは約80分、鳴門駅からは約25分になります。

鳴門駅では駅の目の前に「鳴門駅前」バス停があります。バスの本数は少なく、1時間に1本または2本になります。バスの時刻表は徳島バスや渦の道のサイトに掲載されているのですが、個人的に分かりにくいと思うので、比較的分かりやすいものを掲載しておきます。なお、最新の時刻表はご自身の責任でお調べください。

自家用車で行く場合には、渦の道の近くに鳴門公園第1駐車場、第2駐車場、第3駐車場があります。私が行ったときは祝日だったので満車になっている駐車場もありましたが、どこかしら空きはあるようでした。

注意点1

鳴門駅前の鳴門公園行きのバス停の隣に「鳴門市地域バス(市内循環線)」の停留所があるのでややこしいのですが、そちらは鳴門公園には行かないので乗ってはいけません。

注意点2

土日は帰りのバスが非常に混雑することが予想されます。特に、渦潮の見頃時間が最終バスの時間に近いときは乗れないこともあるので注意が必要です。例えば、「鳴門観光港」バス停の帰りの最終バスは17時39分ですが、渦潮の干潮時刻が16時~17時頃の場合、それを見終わった人の多くが最終バスに乗り込むことになります。私が行ったときには、「鳴門公園」バス停を始発したバスが「鳴門観光港」バス停の時点で満員になり、それ以降の停留所では乗れない人が多くいました。バスは1時間に1本しかありませんし、最終バスを逃せば帰れなくなりますので、みんな必死になって乗ろうとします。その結果、バスのドアが閉まらなくなって発車できないほど大混雑していました。長時間待つのが嫌な人や、バスに乗れるか不安な人は、あらかじめ帰りのタクシーを予約しておくことをおすすめします。

渦潮を見逃さないための事前準備

徳島観光の代名詞と言ってもいいほど有名なのが渦潮です。だからこそ、せっかく行ったのに見られなかったときのショックは大きいです。ここでは、見られなくて後悔しないように、事前に準備しておくべきことを説明します。

潮見表で見頃時間を確認する

渦潮

渦潮は、鳴門海峡の潮流が満潮と干潮になったときに発生します。これらの時間以外に行っても渦潮は見られないので、事前に「潮見表」で旅行をする日の発生時刻を必ず調べる必要があります。発生時刻は日によって異なり、午前と午後で分かれていることもあれば、13時と19時というように両方とも午後で夜間に近いときもあります。

さらに、潮流の速度に応じてサイズや見頃時間の長さが変化します。潮流速度の早い「大潮」のときは渦のサイズが最も大きくなり、見頃時間も前後2時間に長くなります。それ以外は、「中潮」が前後1時間30分、「小潮」は前後1時間が見頃になります。

渦潮の見頃時間

例えば、上の写真のように、私が行ったときの満潮時刻は10時20分かつ小潮なので、その前後1時間となる9時20分から11時20分頃が渦潮を見られる時間帯の目安です。ちなみに、1年間の中では3月下旬から4月下旬が最も渦が大きく見える季節になっています。

双眼鏡を持参する

観潮船に乗る場合は必要ありませんが、それ以外の場合は双眼鏡があると渦潮が良く見えます。特に、千畳敷展望台、お茶園展望台、エスカヒル鳴門からは距離が遠いため、肉眼では見えにくいと思います。千畳敷展望台などは有料の双眼鏡が設置してありますが、なるべく持参した方が便利でしょう。

渦潮を見た後におすすめの宿泊先

渦潮

鳴門の渦潮の近くには美肌の湯として知られる「鳴門潮崎温泉」があり、徳島駅の周辺には天然温泉の大浴場を完備したホテルなどがあります。詳しくは「こちらのページ」をお読みください。

飛行機

県外から飛行機で四国に行く場合は、往復の航空券と宿泊がセットになった「JALダイナミックパッケージ」がおすすめです。JALダイナミックパッケージは私も過去に何度も利用していますが、飛行機を個別に予約するよりも大幅に安くすることができて、実質ホテル代がタダみたいなときもあります。

渦の道

渦の道とは、大鳴門橋の車道の下につくられた観光施設です。施設は遊歩道および展望室で構成され、鳴門海峡や瀬戸内海、渦潮が見られることで有名です。

基本情報

料金

大人510円、中・高生410円、小学生以下250円
※徳島県在住の人は「渦の道パスポート」が510円で売られています。パスポートを使うと期間中は何度でも無料で入場できます。

営業時間

3月~9月:午前9時~午後18時(最終入場は17時30分)、10月~2月:午前9時~午後17時(最終入場は16時30分)

休館日

3月、6月、9月、12月の第2月曜日

交通アクセス

鳴門駅 ⇒ 徳島バス「鳴門駅前」 ⇒ ( 25分 ) ⇒ 徳島バス「鳴門公園」 ⇒ ( 10分 ) ⇒ 渦の道
※「鳴門公園」バス停からは徒歩移動になります。案内の看板があるので、迷うことはないと思います。

遊歩道

渦の道の遊歩道

チケットを見せて入場ゲートを通ると、そこからは全長450メートルの遊歩道になります。折り返して帰って来る人がいるので道幅は広くはありませんが、風や揺れはなくて歩きやすいです。

遊歩道から見える鳴門海峡

遊歩道からは鳴門海峡が見渡せます。足元はガラスになっていますが、それより上部は格子状のフェンスになっているので、格子の隙間にカメラを構えれば、ガラスの反射を気にせずに写真撮影できます。

鳴門海峡の小潮

私が行った時は小潮だったのではっきりとした渦の形は見えませんが、荒々しい海の流れは分かります。

遊歩道のガラス床

遊歩道を歩いていると、上の写真のように床が透明なガラスになっている場所が4箇所あります。ただし、遊歩道の途中にあるガラス床は渦潮の発生ポイントから離れているので、渦は見えませんでした。

遊歩道の休憩所

遊歩道の途中には4箇所の休憩所があるので、歩き疲れたら一休みできます。ただし、遊歩道は休憩するほど距離は長くはないので、利用している人はほとんどいませんでした。

展望室

展望室で渦を見るポイント

渦の道の入り口から5分ほど遊歩道を歩くと、その先には展望室があります。展望室の中は一周できるようになっていて、窓やガラス床から渦潮を眺めたり、有料の双眼鏡を利用することもできます。また、引き潮と満ち潮で見るポイントが変わるので、事前に確認してください。

展望室のガラス床

遊歩道のガラス床は1枚だけでしたが、展望室は4枚セットのものが2箇所あります。ガラスの面積が広がることで、遊歩道よりはよく見えます。私は渦潮が見頃の時間内に行きましたが、小潮ということもあってか鮮明に見えるほどではなく、何となく渦らしきものが見えるだけでした。

ガラス床の場合は、ちょうどその下で渦潮が発生していないと見られないので、普通の窓ガラスの方が見やすいかもしれません。ただし、小さい子供がガラス床のところではしゃいでいる姿を多く見かけたので、家族連れの方はおすすめです。

大鳴門橋の構造

渦潮以外だと大鳴門橋の構造が間近に見られるのも面白いです。

ライブ映像

渦潮のライブ映像

チケット売り場の隣にある待合スペースでは、過去の渦潮の映像を上映しています。ただし、スクリーンの大きさは通常のテレビ画面ほどなので期待はしない方が良いでしょう。

千畳敷展望台

千畳敷展望台とは、大鳴門橋のすぐ目の前にある見晴らしの良い展望台です。

基本情報

料金

無料

交通アクセス

渦の道 ⇒ ( 3分 ) ⇒ 千畳敷展望台
※渦の道の隣にある道を100メートルほど進むと到着します。

大鳴門橋

千畳敷展望台は広場になっています。静かでとても空いており、長い時間をかけて海を眺めている人もいました。位置的には大鳴門橋のすぐ目の前にあるので、橋の写真を撮る場合には一番おすすめの場所です。

大鳴門橋の渦の道

橋をよく見ると、渦の道の遊歩道が見えます。

千畳敷から見た淡路島

大鳴門橋は兵庫県の淡路島につながっており、島の一部が見えます。また、上の写真に観潮船が写っているように、タイミングが良くて双眼鏡があれば、千畳敷からも渦潮が見える可能性はあります。

千畳敷のお土産ショップや食事処

千畳敷展望台のもう一つの魅力は、お土産ショップや食事処が充実していることです。鳴門公園にはこうしたお店は少なく、お土産を買うなら千畳敷かうずしお観潮船の館内がおすすめです。千畳敷でランチをするなら、「うづ乃家」という店の鯛丼が有名です。他には、徳島ラーメンや鳴門うどん、竹ちくわなどの名物を食べられます。お土産としては、すだち関連の商品や文旦、わかめなどがあります。

鳴門金時のジェラート

私が食べたものは「鳴門金時のジェラート(300円)」です。ほのかな甘さで、しっかりとサツマイモの味を感じられる美味しいアイスです。他には、鳴門塩やすだち味のジェラート、わかめ味のソフトクリームなど、ここでしか食べられないような珍しいスイーツが多いです。

うずしお観潮船

うずしお観潮船とは、渦潮を間近で見られる遊覧船です。「鳴門観光汽船」という会社が運営しており、ここの他には「うずしお汽船」という観潮船も近くにあります。

基本情報

料金

わんだーなると:大人1800円、小学生以下900円
アクアエディ:大人2400円、小学生以下1200円

営業時間

午前8時~午後17時(観潮船の運航は9時~16時20分)

休館日

年中無休

交通アクセス

鳴門駅 ⇒ 徳島バス「鳴門駅前」 ⇒ ( 20分 ) ⇒ 徳島バス「鳴門観光港」 ⇒ うずしお観潮船
※「鳴門観光港」バス停の目の前が建物になります。大塚国際美術館からは徒歩で20分ほどですが、歩道が整備されていないので歩くには危険です。渦の道からはさらに遠くなり、徒歩で30分以上かかるので、バスを使った方が良いでしょう。

チケットの購入

うずしお観潮船の建物

「鳴門観光港」バス停を降りると、すぐに建物の入口があります。渦の道に行った後に遊覧船に乗る場合には、「鳴門公園」バス停から「鳴門観光港」バス停まで約3分です。自家用車で行く場合には、無料の大型駐車場が併設されています。

わんだーなると

船は「わんだーなると」と「アクアエディ」の2種類があります。上の写真は「わんだーなると」です。大型船で揺れが少なく、ゆったりと渦潮を鑑賞したい人に向いています。

アクアエディ

こちらは「アクアエディ」です。小型船なので風やスピードを体感できます。また、水中の窓ガラスから海の様子を眺められることが特徴で、船のデッキと水中からの2種類の方法で渦潮を鑑賞できます。

一等室の乗船チケット

「アクアエディ」は小型船で乗車人数が限られているため、事前にインターネットで予約する必要があります。それに対して、「わんだーなると」は定員が399名なので予約は不要です。乗船時間の10分前までに、当日いきなり窓口に行ってチケットを購入すれば乗船できます。

私は渦の道で購入したセット券を利用して「わんだーなると」を選びました。別々に購入すれば、渦の道が510円、「わんだーなると」が1800円なので、合計すると2310円になりますが、セット券を利用すると2030円になって300円近い割引になります。「わんだーなると」には2階に上がれる一等室が用意されていますが、一等室を利用する場合は追加で千円を支払います。

乗船、船内の様子

観潮船乗り場

チケットを購入した後は、外に出て指定された場所で待ちます。乗船時間まで時間があれば、建物の中にお土産ショップがありますし、休憩できる椅子は多く用意されています。

観潮船に乗り込む観光客

乗船時間の20分ほど前に行ったところ、既に大勢の人が並んでいました。上の写真は船に乗り込むときのものですが、席は指定席になっているわけではないので、列に並んだ順番で好きな場所を確保していきます。その際に、一等室のチケットを持っている人だけが2階へ上がれます。2階へ上がる階段の前にスタッフがいるので、「一等ご利用券」を見せると通れます。

一等室のデッキ

上の写真は2階のデッキの様子です。

一等室の椅子

一等室の部屋は高級感のあるレザーの椅子になっています。

一等室のテーブル

テーブル席もあるので、家族旅行やデートで来ても問題ありません。

通常室の椅子

なお、1階の通常室は上の写真のように椅子の材質が異なります。ただし、渦潮を見るためにデッキに出ている人がほとんどなので、椅子を座る機会はないかもしれません。

一等室は利用すべきか?
一等室を利用すると千円高くなるので、その価値があるのか気になります。スタッフに聞いたところ、一等室と通常室の違いは1階か2階かで渦潮を見る高さが違うことだと言われました。しかし、個人的に感じた最大のメリットは何といっても空いていることです。私が行った時は、ほとんどの人が通常室を選んでいたので1階は大混雑しており、後ろの方に並んだ人は渦潮があまり見えない位置になってしまう可能性があります。また、船は渦潮の発生エリアを巡回するので、その時々によって見える位置が変わります。一等室であれば、渦潮が発生しているデッキの反対側へ移動することも可能ですが、通常室では身動きが取れないかもしれません。そのため、混雑を避けて渦潮をしっかりと見たいという人は一等室を利用した方が良いです。逆に言えば、平日などで空いているときは通常室でも十分だと思います。

クルーズの様子

うずしお観潮船の航路

うずしお観潮船の所要時間はおよそ30分間です。出発したら大鳴門橋を目指して勢いよく進んでいきます。船の揺れはないので酔うことはないと思いますが、風は強いので帽子などが飛ばされないように注意してください。また、船内では音声放送が流れて解説してくれます。

うずしお観潮船から見た渦潮と大鳴門橋

出発して5分から10分ほどで渦潮の発生場所に到着しました。到着した時刻はちょうど見頃時間となる16時30分で、至る所で渦を巻いています。

うずしお観潮船から見た渦潮

船内のスタッフによると、残念ながら渦の大きさは10メートル前後の中潮で、そんなに大きいサイズではないと言われました。タイミングが良ければ、直径が20メートルにも到達する巨大な渦潮が見られることもあるそうです。

鳴門海峡の段差

上の写真のように海面には段差ができており、ここで潮流が速くなります。このように、早い潮流に巻き込まれる形で、流れが緩やかな水域との境目に渦が発生します。

渦潮

観潮船は大鳴門橋の下を15分ほど旋回してくれます。

淡路島

渦潮以外には、淡路島や大鳴門橋も近くで見られて最高です。

大鳴門橋架橋記念館エディ

大鳴門橋架橋記念館エディは、渦潮や大鳴門橋などを映像やゲームで解説する博物館です。

基本情報

料金

大人610円、中・高生410円、小学生以下250円

営業時間

午前9時~午後17時(最終入場は16時30分)

休館日

年中無休

交通アクセス

鳴門駅 ⇒ 徳島バス「鳴門駅前」 ⇒ ( 25分 ) ⇒ 徳島バス「鳴門公園」 ⇒ ( 2分 ) ⇒ 大鳴門橋架橋記念館エディ

大鳴門橋架橋記念館エディ

場所は「鳴門公園」バス停で降りてから渦の道へ向かう途中にあり、丸いドーム型をした建物で目立ちます。館内では、渦潮の様子を大型スクリーンで上映していたり、鳴門海峡の魚を釣るゲームなどを楽しむことができます。

あわせて行きたい大塚国際美術館

大塚国際美術館

鳴門公園の近くに大塚国際美術館があります。「鳴門公園」バス停から「大塚国際美術館」バス停までは約7分です。大塚国際美術館は国内の美術館の中でトップクラスの規模を誇り、世界各国の有名絵画が展示されています。詳しくは以下の記事をお読みください

感想

今回は、徳島県の渦潮を見に行ってきました。渦の道、千畳敷展望台、うずしお観潮船という感じで一日かけて渦潮を見てきましたが、個人的には観潮船が一番楽しかったです。船に乗って風に吹かれながら、眼前に広がる巨大な渦に心が躍ります。事前に潮見表で調べることは必要ですが、それでも日にちや天候などによって渦の大きさが変わってしまうので、はっきりとした渦が見られるかは運次第なところもあります。単純に鳴門海峡の景色を眺めたり、クルージングをするのも楽しいので、その場合は他のことに気持ちを切り替えて楽しめば良いと思います。

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