都内でバラの名所といえば真っ先に挙げられる神代植物公園。409品種5200本のバラは都内で最大級の規模であり、春のバラフェスタ開催中には大勢の人が訪れます。今回は、バラフェスタ期間中に神代植物公園へ観光してきました。
神代植物公園とは
神代植物公園とは、東京都調布市にある植物公園です。現在は、約4800種類10万本の樹木が植えられており、これだけ多くの草花を鑑賞できるスポットは都内では珍しいです。都内最大規模のばら園が非常に有名ですが、その他の季節にも、1万2千株のツツジや600本の桜など、1年を通して様々な植物に触れることができます。また、1961年に開園した歴史のある公園でもあります。
開園時間は午前9時30分〜午後5時(最終入園は午後4時)で、毎週月曜日は休園日です。入園料は大人500円ですが、みどりの日(5月4日)と都民の日(10月1日)は無料公開されます。
「調布」駅または「つつじヶ丘」からバスで10分〜20分です。私が行った時には、調布駅からバスを利用している人の方が多かったように思います。調布駅から行く場合は、吉祥寺駅または三鷹駅行きの小田急バスに乗車し、「神代植物公園」で下車します。バスの本数が多いため、あまり待つことはないと思います。
神代植物公園の様子
今回は、バラフェスタが開催されている2016年5月10日〜5月29日の間の平日に神代植物公園へ行ってきました。調布駅から10分ほどバスに乗車し、お昼の12時頃に到着です。バス停からは徒歩2分ほどで入り口にたどり着きます。
入り口の正門を通過すると、神代植物公園の看板と共に、早速美しい花たちが出迎えてくれます。そこから右側に進み、3分ほど歩くとばら園に到着します。
ばら園
ばら園の中央には巨大な噴水が設置され、それを囲むように四方にバラが咲いています。ばら園自体は広いですが、その半分くらいはこの噴水が占めています。ばら園には藤棚もありますが、当然ながら今の季節に藤の花は咲いていませんでした。
園内には、満開のバラが数多く咲いています。大輪から小輪まで、様々な種類のバラが共演しています。「殿堂入りのバラ」や「ロサンゼルスから来たバラ」などもあるので、解説を読みながら鑑賞すると理解が深まります。
鮮やかで真っ赤なバラから純白のバラまで、どれを見ても綺麗です。背丈は低めで、腰のあたりにバラの花が咲いています。
個人的には、イギリスで誕生した小輪の「ラッキーダック」という赤いバラが気に入りました。
人が多くて、ばら園全体の写真を撮影することは難しいです。バラ園全体の中の一部分ですが、横から撮影した写真がこちらです。
バラを飾ったオブジェも沢山ありますので要チェックです。
国際ばらコンクール花壇
ばら園のすぐ横には「国際ばらコンクール花壇」があります。ここでは、バラの新品種を集めて育成し、神代植物公園と日本ばら協会が春と秋に審査を行っています。
ばら園と違って人が少ないため、ゆっくりと鑑賞することができます。
大温室
ばら園の向かい側にある透明の建物が大温室です。都内でも有数の温室として多くの熱帯植物等を展示していましたが、老朽化した建物の修復やバリアフリー化、そして展示内容の増築などを行うため、大規模な改修工事が行われ、2016年の5月12日から大温室がリニューアルオープンしました。
合計で1300種類の植物を展示する巨大な温室展示室は、ばら園に匹敵するほどの魅力があります。個人的には、ばら園自体は千葉県の京成バラ園や茨城県フラワーパークなどには負けていると感じましたが、この大温室はとても感動しました。
広い温室内は以下の6つのエリアに分かれています。
・熱帯花木室
・ラン室(増築)
・ベゴニア室(増築)
・熱帯スイレン室
・小笠原植物室(新設)
・乾燥地植物室(新設)
入り口から順路に沿って進むと全てのエリアを通過できるようになっています。全てのルートを鑑賞すると所要時間は30分ほどです。熱帯花木室を抜けたところには冷房のついた休憩室やトイレもあります。
熱帯花木室
熱帯・亜熱帯地方の植物を集めたコーナーです。見たことがないような奇妙な植物が多数展示されており、とてもテンションが上がります。個性的で奇妙な食虫植物も面白いですよ。
メディニラという植物の雑種で「火の鳥」という品種です。
ネペンテス。袋の中に虫を落とし、消化液で分解して栄養を吸収する食虫植物です。
ハエトリソウ。最も有名な食虫植物で、葉の先に昆虫が触れると瞬時に葉が閉じて自由を奪います。
モウセンゴケ。甘い香りを放つ粘液を出して虫をおびき寄せて捕食します。
バオバブの木。小説「星の王子さま」に出てくる神秘的な木で、世界の絶景などとして取り上げられるケースも多いです。
ラン室
気品があって鑑賞用植物として人気なランを集めたコーナーです。150品種のコレクションの中から開花したランを展示しています。
ベゴニア室
色鮮やかで華やかなベゴニアを部屋いっぱいに展示したコーナーです。300を超えるベゴニアのコレクションがとても綺麗です。
熱帯スイレン室
大きな池に30品種の熱帯スイレンを展示したコーナーです。バラやベゴニアと違って、池の上にぽつんと花が咲いている様子に情緒が感じられます。
小笠原植物室
世界自然遺産として登録された小笠原諸島の植物を展示したコーナーです。独自の進化を遂げた希少な植物を鑑賞できます。
乾燥地植物室
乾燥した気候で生息するサボテンを多数展示したコーナーです。巨大なサボテンや手のひらサイズの可愛いサボテンなど、様々な種類のサボテンが展示されています。
ぼたん・しゃくやく園
正門からばら園へ向かう途中の右手にあります。今の時期ぼたんは咲いていなかったと思いますが、しゃくやくは鮮やかに咲いていました。
しゃくなげ園
正門からばら園へ向かう途中の左手にあります。咲いている面積は少ないですが、写真のように満開に咲いている部分もあります。
また、しゃくなげ園を抜けたところに大きな池があって、そこに温帯性スイレンが沢山咲いていますからチェックしてみてください。ちなみに、大温室にあった熱帯スイレンと温帯スイレンの違いは、熱帯スイレンは水面から10センチほど立ち上がって花が咲くのに対し、温帯スイレンは水面に浮かぶように花が咲きます。
水生植物園
水辺に咲く植物を集めた植物園です。ばら園などがあった本園とは少し離れた位置にあり、一度「深大寺門」から神代植物公園を出る必要があります。そして、深大寺を通過したところに水生植物園があります。深大寺門からは徒歩で10分くらいの距離です。
水生植物園は無料開放されていますので、入場チケットを提示するようなスタッフさんは立っていません。
湿地帯の上に道が整備されており、そこを歩きながら植物を鑑賞できます。
基本的には緑の植物がメインで花は咲いていませんが、ちょっとだけ咲いている部分もあります。花がないので人によっては退屈だと思いますが、人が数人しかいなくて静かです。神代植物公園のばら園が目当てで来た場合にはわざわざ行く必要はないですが、深大寺まで来て時間が余った場合には是非行ってみてください。
混雑状況
平日の昼間に行きましたが、それでもばら園は非常に混んでいます。駅からバスで数分というアクセスの良さも関係していると思います。
所要時間
神代植物公園は非常に広く、全てのスポットを行こうとすると1日かかります。しかし、今の季節であれば、これまで紹介してきた、ばら園、大温室、ぼたん・しゃくやく園、しゃくなげ園だけ行けば良いと思います。ばら園だけであれば、30分〜1時間もあれば十分です。大温室は面白いので最低30分はかかります。そのため、所要時間は合計で1時間半〜2時間くらいが目安だと思います。
周辺観光
神代植物公園の隣には深大寺があります。また、深大寺周辺は蕎麦屋が非常に有名で、多くの有名店が立ち並びます。ばら園でも「バラのジュース(350円)」や「バラのソフトアイス(260円)」など食べ物や飲み物を販売していますが、本格的なランチや夕食を食べる場合は深大寺周辺まで行った方が絶対に良いです。深大寺観光の様子は「絶品そばや鬼太郎茶屋など魅力満載の深大寺へ観光してきました」をお読みください。
感想
今回は、バラフェスタを開催している東京都の神代植物公園に行ってきました。ばら園は混んでいたのが残念でしたが、バラの規模や見せ方については大満足です。また、リニューアルオープンした大温室が予想以上に素晴らしくて楽しめました。その後は深大寺観光もできて充実した1日になりました。