世界遺産に登録された栃木県の日光東照宮へ日帰りで一人旅行

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世界遺産に認定され、栃木県で最も有名な観光スポットである日光東照宮。学生の頃に修学旅行などで訪れた経験のある人も多いと思いますが、大人になって再度行ってみると新たな発見があって楽しいものです。今回は栃木県の日光へ日帰り旅行をしました。

目次

栃木日帰り観光の旅程

まず最初に、今回の旅程を簡単に説明しておきます。

午前中:あしかがフラワーパークで藤の花を観賞
昼食:下今市の「正嗣」で宇都宮餃子を堪能
午後:日光で二社一寺を観光

世界遺産に登録された日光東照宮ですが、実際には日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)と日光山輪王寺(にっこうさんりんのうじ)も同時に世界遺産に登録されています。そして、神社が二つにお寺が一つで「二社一寺(にしゃいちじ)」と言われています。これら三つのスポットは徒歩圏内に隣接しており、全て巡ってもあまり時間はかかりません。

あしかがフラワーパーク藤の花

日光東照宮と同じ栃木県にある「あしかがフラワーパーク」は日本でも屈指の藤の花の名所です。今回は午前中の人が少ない時間帯にあしかがフラワーパークへ行って見頃を迎えた藤の花を観賞し、13時頃から日光の観光を始めました。なお、あしかがフラワーパークの様子については「GWに栃木県あしかがフラワーパークのふじのはな物語に行きました」をお読みください。

日光東照宮への交通アクセス
最寄り駅の「東武日光」駅からバスで10分ほどです。東武日光駅の出口付近にツーリストセンターがあり、そこでバスの乗車チケットを購入します。その後、駅前にあるバスの乗車口からバスに乗り、「表参道」で下車します。徒歩で行くことも不可能ではありませんが、行きは常に上り坂になっており、神橋を過ぎた辺りからは道が複数に分かれて遠回りをしてしまう可能性が高いです。私は帰りに徒歩で駅まで向かいましたが、およそ30分くらいの時間がかかりました。時間と体力に余裕がある人以外は、行きも帰りもバスかタクシーを利用することをおすすめします。

世界遺産めぐりバスと世界遺産めぐり手形

日光東照宮に行くためには「世界遺産めぐりバス」に乗る必要があります。東武日光駅に到着したら、まずは出口にあるツーリストセンターで世界遺産めぐりバスの乗車券を購入します。行きたい場所などを伝えれば、どの乗車券を購入すればよいか教えてくれます。ただし、多くの人がここの窓口を利用するため、混んでいるときには数十分は待つ可能性があります。

世界遺産めぐりバスの運行ルート

【平日】
JR日光駅 - 東武日光駅 - 東照宮東参道入口・ホテル清晃苑前 - 勝道上人像前 - 表参道 - 西参道・東武観光センター前 - 大猷院・二荒山神社前 - 西参道・東武観光センター前 - 神橋 - 東武日光駅 - JR日光駅

【土日祝】
JR日光駅 - 東武日光駅 - 西参道・東武観光センター前 - 大猷院・二荒山神社前 - 西参道・東武観光センター前 - 神橋 - 東武日光駅 - JR日光駅

平日と土日祝日でバスの運行ルートが変わります。平日は「表参道」バス停に停車するため、二社一寺を全てまわる場合は「表参道」バス停で下車して、日光山輪王寺、日光東照宮、日光二荒山神社という順序で参拝し、「大猷院・二荒山神社前」バス停から東武日光駅に帰るルートが良いでしょう。

一方で土日祝日は「表参道」バス停に停車せずに、東武日光駅から「大猷院・二荒山神社前」バス停に直接行きます。そのため、「大猷院・二荒山神社前」バス停で下車したら、日光二荒山神社、日光東照宮、日光山輪王寺という逆のルートで参拝することになります。

東武日光駅から「大猷院・二荒山神社前」バス停までの乗車時間は約15分で、運賃は310円です。なお、世界遺産めぐりバスは年末年始に迂回ルートになるなど色々と変わることがあります。正確な情報は公式HPをご確認ください。

世界遺産めぐりバスの時刻表

バスの乗車券を購入した後は、世界遺産めぐりバスの乗車口からバスに乗るだけです。バスの時刻表は東武バスのホームページに記載されています。ちなみに、現時点の情報は「世界遺産めぐりバスの時刻表」をご覧ください。リンク切れの場合は申し訳ありません。

世界遺産めぐり手形

世界遺産めぐりバスのコース内が1日乗り放題になる「世界遺産めぐり手形」というものがあります。料金は大人500円子供250円で、東武日光駅やJR日光駅の窓口で販売しています。私は帰りは徒歩の予定だったので購入しませんでしたが、往復でバスを利用する場合には「世界遺産めぐり手形」の方が安く済むと思います。また、二社一寺の拝観料がセットになったお得なチケットがあるかと思いましたが、特にそういったものはないと言われました。

日光東照宮におすすめの宿泊先

鬼怒川温泉

日光東照宮の近くには、鬼怒川温泉や那須塩原温泉など良質な泉質で有名な由緒ある温泉街があります。私は「鬼怒川温泉 きぬ川ホテル三日月」に泊まったことがありますが、ステーキや天ぷらなどの和洋中バイキング、33種類の温泉とスパ、室内プール、噴水イルミネーションなど盛りだくさんの旅館で、とても良かったです。他にも人気の旅館やホテルが多くあるので探してみてください。

日光二荒山神社の観光

今回の旅行では、東武日光駅で「大猷院・二荒山神社前」まで世界遺産めぐりバスの片道乗車券を購入し、まずは日光二荒山神社を観光しました。その後は日光東照宮、日光山輪王寺という順序で参拝し、帰りは神橋などを見ながら徒歩で東武日光駅に戻りました。日光山輪王寺から東武日光駅までは徒歩で約30分です。

日光二荒山神社とは、男体山、女峯山、太郎山という日光三山を神様として祀っている神社です。拝殿や杉のある境内は無料ですが、神苑へ入る場合には200円の拝観料が必要です。神苑の中には見るところが多くあるため、絶対に行った方が良いです。日光二荒山神社の所要時間は約1時間です。

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親子杉

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「親子杉」とは家庭円満を願う三本杉です。近くには夫婦円満のご利益がある「夫婦杉」もあります。

日枝神社

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ここからは有料エリアになります。日枝神社は山の神様を祀っており、健康にご利益があります。

お化け灯籠

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鎌倉時代に作られた古い灯篭です。お化けに見間違えた武士たちが刀で灯篭を切りつけた跡が残っています。

御神木

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樹齢700年の巨杉です。実物はかなり大きく、パワースポットになっています。

二荒霊泉

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「若返りの水」と呼ばれる湧き水が流れています。美容や健康、目の病に効果があると言われ、自由に飲むことができます。

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柄杓が置いてあり、直接口をつけて飲んでいる人が多かったような気がします。私は柄杓を使わずに手に溜めて飲みました。本当に若返りの効果があるか分かりませんが、純粋に美味しい水でした。すぐ近くに300円のボトルが販売しており、それに水を溜めて持って帰ることもできます。

良い縁ハート投げ

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初穂料が200円のハート型の板に願い事を書き、中央に置いてある柱に向かって投げると願いが叶うと言われています。また、投げたハートが柱に近いほど良いご縁に恵まれるそうです。デートスポットになっているようで、私が行ったときには若いカップルが来ていました。

銭洗弁財天

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ここで銭洗いをすると金運アップのご利益があります。お金が貯まるように心を込めて洗ってきました。

日光東照宮の観光

日光東照宮とは、江戸時代の初代将軍である徳川家康を祀った神社です。日本全国にある東照宮の総本社になっています。日光東照宮の参拝に必要な時間は約1時間30分〜2時間です。

上新道&下新道

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上の写真は、日光東照宮と日光二荒山神社の間を行き来する「下新道」です。今回は日光二荒山神社から「上新道」というもう一つのルートを歩き、日光東照宮へ向かいました。距離は徒歩で5分~10分くらいです。

五重塔

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表参道を抜けた場所にあります。様々な色で装飾されたカラフルで立派な建物です。

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注目すべきポイントは、五重塔の側面に干支の彫刻が設置されていることです。正面には、徳川家康の干支である虎、徳川秀忠の兎、徳川家光の龍が彫られています。

神厩舎(しんきゅうしゃ)

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神厩舎とは、神様に仕える馬が住む場所です。昔から猿が馬を守ると言われていることから、神厩舎の壁には8面に渡って猿の彫刻が設置されています。特に、三猿は日光東照宮のシンボルになっているほど非常に有名です。3匹の猿が目、耳、口を隠しており、「見ざる、聞かざる、言わざる」と呼ばれています。「子供の頃は余計なことは見たり聞いたり言わず、素直に成長してほしい」という意味が込められています(諸説あり)。

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三猿が有名ですが、実際には他にも猿の彫刻が沢山あります。左側から順に幼少期から大人になるまでのストーリーになっており、人の一生を風刺しています。子供の頃は由来も意味も分からずにただ猿の彫刻を眺めていましたが、理解してから眺めると面白さが増します。

御水舎(おみずや)

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参拝の前に手や口を水で清める場所です。金色の屋根や複雑な彫刻があり、一般的な手水屋とは比べることができない程に立派です。

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特に、飛龍と呼ばれる緑色の龍が素晴らしいです。東照宮にある飛龍の彫刻の中でも、御水舎にあるものが最高傑作と言われています。ちなみに、参拝客が常時来るので御水舎の全体像を撮影することは難しいです。

陽明門(ようめいもん)

国宝に指定され、日光東照宮の中でも非常に見応えのある建造物です。門の周囲には500以上の彫刻がほどこされ、日が暮れるまで見ていても飽きないことから「日暮の門」と呼ばれています。しかし、平成25年6月1日~平成31年3月31日までは「平成の大修理」が行われており、その美しい外観はシートで覆われていて見ることができません。魔除けのために1本だけ逆さになっている柱(逆柱)は遠目からわずかに見ることができました。

唐門(からもん)

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全体が胡粉という白い絵の具で装飾された門です。唐門の周辺には観光客が無数に立っていますので、写真撮影は簡単ではありません。外国人も沢山見かけました。

眠り猫

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左甚五郎が制作した猫の彫刻です。この先には徳川家康が埋葬されている「奥宮」があり、それを猫が護っているわけです。しかし、猫が眠っているため、それだけ平和であることを象徴しています。眠り猫の前は大変混雑しており、カメラ撮影に時間がかかっていると通行人の邪魔になるので注意してください。

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また、眠り猫の裏側には雀の彫刻があります。猫が雀を襲わずに共存できるほど平和な世の中であることを表しています。

奥宮

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眠り猫の門を通り過ぎると、上の写真のような石段が長く続き、徳川家康が埋葬されている「奥宮」にたどり着きます。写真は撮りませんでしたが、奥宮の周りを歩けるようになっています。

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奥宮の隣にある「叶杉」でお願い事をしてから登ってきた階段を戻りました。

日光山輪王寺の観光

日光山輪王寺とは、勝道上人が開いた天台宗のお寺です。日光東照宮から徒歩で5分ほどで到着します。日光山輪王寺を参拝する所要時間は約45分です。

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日光山輪王寺の三仏堂では、千手観音(男体山)と阿弥陀如来(女峰山)と馬頭観音(太郎山)の大仏があります。しかし、現在三仏堂では50年ぶりの修理が行われており、本来の場所から移動していました。その代わり、至近距離からこれらの仏像を眺めることができます。ただし、三仏堂の中は撮影禁止です。

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工事中の様子を観察できることは貴重でしたが、個人的にはあまり面白いものではありません。一方で、7階まで階段を上ったときに見えた景色がとても綺麗でした。

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日光山輪王寺の近くには勝道上人の銅像があります。

神橋(しんきょう)

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昔、神によって作られたと言われている橋です。良縁・開運の橋渡しのシンボルとして人気なパワースポットになっています。神橋を近くから眺めるだけなら無料ですが、橋の上を歩く場合には有料になります。大人300円、高校生200円、小中学生は100円です。発券所で先ほどの料金を支払って渡橋券を購入し、その後に神橋の上へ行くことができます。橋の先は行き止まりになっており、そこからは折り返します。

橋の曲線美などは橋の上よりも外側から眺めた方が綺麗ですから、個人的には300円は高いと思います。橋は意外に短く、お金を払っても数分で終わるはずです。そうは言っても、せっかく日光まで行ったのですから好きな人は渡ってみてください。実際に、私が行ったときにも歩いている人が数名いました。

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ちなみに、神橋は日光の社寺の玄関にあたります。東武日光駅から二社一寺へ向かう場合には、神橋の横を通って行くことになります。また、すぐ近くには世界遺産に登録されたことを示す石碑が置かれています。神橋は二荒山神社の建造物となっていますが、二荒山神社の境内からは遠くなっています。

グルメ

ここからは、旅行中に食べた栃木グルメ、日光グルメについて書いていきます。

正嗣:宇都宮餃子

日帰り旅行の昼食で利用したのが、「正嗣(まさし)」の今市店です。場所は、下今市駅から徒歩で5分くらいの距離にあります。餃子と言えば宇都宮市が有名ですが、東部日光駅から宇都宮市まで行くと電車で1時間ほどの移動時間が必要です。一方で、下今市駅までなら約10分で着きます。

下今市駅で電車を降りて道路沿いを少し歩くと店が見えてきました。逆方向へ行ってしまうと全くたどり着かないので、事前に場所を調べることをおすすめします。平日のお昼過ぎの時間帯でしたが、7割くらいの席が埋まっている状態でした。待ち時間なしですぐにカウンター席に案内されます。店内は少し古びた印象で、老舗のラーメン屋という感じです。男性客が多く、女性一人であればかなり入りづらい雰囲気だと思います。

正嗣は宇都宮市に本店があり、創業50年を超えた餃子の名店です。餃子専門店ということもあり、メニューは焼餃子(210円)と水餃子(210円)の2種類しかありません。1皿につき6個の餃子がのっています。後は、ご飯もビールも何もありません。スタッフさんに焼餃子2皿と水餃子1皿を注文します。

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5分くらい待つと、餃子が運ばれてきました。正嗣の餃子は薄皮で野菜が多いことが特徴です。焼き加減が素晴らしく、パリパリで美味しいです。中の具材は野菜中心なので、胃もたれせずに何個でも食べられそうです。東京で餃子の名店に何度か行ったことがありますが、やはり本場で食べた方が美味しいですね。勢いよく食べ進め、あっという間に完食です。

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次は水餃子です。大き目の器に6個の水餃子が入れられています。食べ方は、このまま器に醤油を注いで食べるそうです。焼餃子のパリパリな感じとは全く異なり、モチモチで食べ応えがあります。個人的には焼餃子の方が好きですが、焼餃子と交互に食べると味が変わって飽きずに食べられます。

さかえや:揚げ湯葉まんじゅう

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東部日光駅から数十秒の距離にあり、和菓子やかき氷を扱っているのが「さかえや」です。平日の夕方近い時間帯でありながら、「揚げ湯葉まんじゅう(200円)」を目当てに5人くらいの人が並んでいました。ほとんど待ち時間なしで商品が渡されると、店の前で揚げ湯葉まんじゅうを食べている人達に交じります。食感はサクサクで、周囲にかかった塩味が目立ちます。アンコの甘さと塩が絶妙で、確かに食べ歩きのグルメとしては人気が出そうな美味しさです。日光名物の湯葉の味はよく分かりませんでしたが、単純におやつとしては最高ですね。

明治の館(ケーキショップ):ニルバーナ

日光の食事処の中で最も有名なレストランが「明治の館」です。オムレツライスやミートソースなど、本格的な洋食料理を味わえる老舗レストランです。そんな明治の館の系列店が東部日光駅のすぐ近くにあります。こちらは本店と異なってスイーツの専門店になっています。店内にはイートインスペースがありますが、今回はテイクアウトをしました。

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お土産に購入したものは「ニルバーナ(1890円)」です。明治の館のメニューの中でも定番のチーズケーキです。

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家に持ち帰って食べてみると、甘さは控えめで少し酸味が感じられます。チーズの味が濃厚で贅沢な味わいです。直径は小さく、一人でも簡単に食べられる大きさでした。

感想

今回は栃木に日帰りで一人旅行をしてきました。あしかがフラワーパークで花を満喫した後は、日光の世界遺産をじっくりと観光できました。また、宇都宮餃子や湯葉まんじゅうなど美味しいグルメも大満足でした。これだけ充実していても全く足早になることはなく、それだけ駅からのアクセスが良いことも助かりました。栃木県は東京都から近いので、まだ訪れたことがない名所にも行ってみたいですね。

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